ウチに来て20年目のカプチーノ(2)
ここまでのあらすじ
2004年の秋に「サーキットを走るために軽を買う」⇒仕事めっちゃ忙しくなる⇒頓挫
それじゃスキなクルマを買ってやる(ただし軽に限る)⇒お店に行けばそこそこのカプチーノが
しかしわたしの予算で探したカプチーノは当然極上とはいかず。今日は続きからお話してゆきますね。
それでもこのクルマにした
前回、仕入れたばかりでプライスタグすらついてないカプチーノを紹介された話をしました。
「試乗しませんか?」「はい」
という事でキィを預かりました。乗り込んでドアを閉めるとき、肘にドアが当たって「狭いなこのクルマは」と感じました。
しかし、運転席に収まってしまえば足元は広い。
視線の低さ。三角窓や合成皮革の目立つ、どことなく昭和のクルマを思い出す内装。何となく子供の頃を思い出しました。
夕暮れ迫る時間に、少しの心細さとこのクルマへの大きな興味を感じながら一般道に連れ出しました。
時間にして10分程度でしたが、見た目の可愛さとは異なるこのクルマの雰囲気にすっかりと酔ってしまいました。
今思うと、商品化される前の「整備されていない状態」がこのクルマの骨っぽさを増強していたのかもしれません。
今思い出しても、なかなか言葉にするのは難しいですが、「ココまでクルマの魅力を凝縮したクルマ」に接したことはなかった気がします。
他のクルマは少なからず実用性や利便性、快適性を追求していると思います(特にわたしのスキな90年代の「デートカー」と言われるジャンルは)。
短い試乗の中で、わたしの気持ちはほぼ固まっていました。「これ欲しいな」って。
不安なのはそこじゃない
そうなってくると、不安なのは「カプチーノがわたしに合うか」ではなく、「この個体が持ってくれるか」の方です。
このクルマを買うために想像したり持ち合わせていた知識は「11年落ちの車」「オープンだから雨が漏るかも」程度でした。
ただ、そうは言ってもまだこの当時では11年前の中古車。何とかなるかなという気持ちではいたのですが、やはり雨漏りと錆は気になりました。
床下を確認する限り錆は問題なさそう。となると雨漏りの方が心配です。
「ご心配なのはよくわかりますから、そうしたら車内で見ていてください。水を掛けてみますから」
車内にいるわたし。ホースで水を掛ける店員さん。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
「どうしました??」
水がダダ洩れで入って来るぞこのクルマ。ズボンがびしゃびしゃになりました。
※写真はウェザーストリップがよじれてます
「コレじゃこの車ムリだよ」と思わず言うわたし。
お店の人は、この漏れ方は尋常じゃないと言って原因を確認しましたが、ウェザーストリップの「雨受け」のゴムが丸ごと欠損しているのを見つけました。
「ココを直せば多分大丈夫です」…ホントに??
いろいろ苦労しそうだな
正直、この選択はどうだったのかは今でもわかりません。それでもわたしはこのカプチーノを購入しました。維持がムリだったら手放す。とだけ決めて。
2004年12月5日、契約。契約時に外装の痛みや気になる部分は補修してもらい、雨漏りはストリップを交換するという事で話をしました。
外装もそれなりに傷やへこみがあったので、リフレッシュを依頼しての納車になります。
それから登録、点検、整備を経て、2004年12月18日にこのクルマを引き取りました。引き取りに行ったことは今でもしっかりと覚えています。
賢い買い物じゃなかったかも。でも、それでよかったと思っています。程々の手間を楽しみながら、20年このクルマと過ごした時間はかけがえのないものと思っています。
クルマを引き取りに行った時、自走で50キロ程度の距離を戻りましたが、とんでもないことをしたなぁという思いがずっと付きまとっていました。
そして、そこからクルマ趣味が加速します。
それから色んなことがありました。
大きくは触れないにしても、「維持の危機」も何度かありました。
それでも、このクルマと過ごす時間を手放すことはわたしの選択肢にはありませんでした。
乗って楽しく、直すのもまた楽しい(楽しくないなぁ…)その繰り返しで20年が経過しました。
今は、よかったと思ってます
これから先、何があるか判らないし、部品供給が日々悪くなってゆく中、どこまで維持できるかもわからない。けど、このクルマを所有したこと、乗り続けていられることは今考えると、よかったと思っています。
思い出話はまたしてゆこうと思っています。
今日の話は以上になります。今後も、カプチーノはじめウチのクルマ達を、よろしくお願いします。
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