販促カタログを語る(2)90系FX前期
味わい深い「販促カタログ」の世界(続き)
前回取り上げた、「販促カタログ」の続きです。今回は、カローラFX!
反対側から見ると
先の「AE92前期」販促カタログを逆から見ると、このような表紙になっています。
デビュー 続々、登場。カローラのお店から。
まあ、両A面みたいな感じです。
今回もドラマ仕立て
レビンと反対面のFXは、やっぱりドラマ仕立てでした。ただ、レビンが「夜」の感じを前面に出しているのに対して、FXは「昼間」な感じを出しています。
これは、恐らくトヨタ側の顧客イメージとしての違いなのかと思います。
90系FX前期型(1987年)表紙
「ふたりの気持ちにぴったりです。NEW-FX誕生。モダンな走りとフォルムにはますます磨きがかかっています。今月のカローラ店は目がはなせません。」
最初の見開き(2-3ページ目)
こっちは、トレンディよりももっと日常に近い形のドラマ仕立てです。
わたしがFXのカタログの内容に明るくないので、あまり言及はできないのですが、右側の写真や文章はカタログを踏襲したものと思います。
そして左側です。
新生活をはじめて慣れてきたカップル、もしくは夫婦をイメージしているのでしょうか。
とてもお洒落な感じです。「エンジンの響き…」「軽やかなツインカムサウンド…」というあたりに、なんというか付加価値を見出したい感じが出ていてクルマ好きから見たら好ましいなと思います。
前回同様、どんどんいきますね。
あまーい文章ですね。そんな中にも、FXのスタイリングを推してきているあたりが絶妙だと思います。
FX(90系カローラ)が発売されたのは5月だったことと、この販促カタログが月限りで配布されていたようで(今月もカローラ店云々の記述から)うまくまとめていると思います。
わたしは個人的に、この手の販促に非常に弱いので、気持ちをグラつかせるには十分な内容と思っています(チョロいなわたし)。
真ん中のページには
両方のカタログは、表紙+2面の見開きで完了しますが、中央の(カタログの双方が出会う)ページには、レビンとFXが見開きで紹介されています。
この時、トヨタは従来の80系カローラの1500ccエンジンをハイメカツインカムに置き替えました。
トヨタは、厳密にはスポーティーツインカムのみボディに「TWIN CAM」表示をして、ハイメカツインカムは「16VALVE」で区別していたようです。
ハイメカツインカムの中でも、電子制御燃料噴射(EFI)はまたちょっとアピールしていて、ボディにステッカーを貼っていました。
カローラFXは1300ccもあり、こちらはOHCだったのでエンジンなどには表示していないですが、下のグレード一覧には載っています。
クルマのある日常をイメージさせる
今回、このカタログを掘り返してみて、一番感じたのは「クルマのある日常をイメージさせる」役割が大きかったのだな、という事です。
今の日常にレビン・FXが加わるとこんな感じになりますよ!といった感じ。
これは、今の軽自動車やミニバンで家族のお出かけを演出しているものにも通じるところがあると思います。
そして、そこから垣間見える世界が、当時、免許すら持っていなかったわたしからするととても眩しいものでした。
当時見えた「大人たち」
当時、わたしが見ていた大人たちは楽しそうでした。それはマスコミが作り出した姿かもしれない。
実際には大変であったことはわかっています。
大人たちの楽しそうな様子を見ていたわたしは、あたたかい時間を過ごせたと感じています。
そんな簡単な事じゃないのはわかっていますし、当時と、経済や世の中の状況も変わってしまいました。
でも、
自分は次の世代に楽しいものを見せることができているのかな?
わたしは、いろいろなことを理解したうえで、それでも楽しいものを見せる事ができる人になりたいと願っています。
販促カタログ話は、不定期ながら続けてゆきます。お楽しみに!
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